明日の子供たち

今回読んだのは有川浩 Arikawa hiro さんの「明日の子供たち」

 

 

三田村慎平は転職先の児童養護施設で働き始めて早々、壁にぶつかる。生活態度も成績も良好、職員との関係もいい「問題のない子供」として知られる16歳の谷村奏子が、なぜか慎平にだけ心を固く閉ざしてしまったのだ。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日がやってくる。先輩職員らに囲まれて成長する日々を優しい目線で描くドラマティック長編。(紹介文より)

 

私が一番感銘を受けたのは終盤の場面。幼少の頃酷い虐待を受けて入所した17歳の平田久志が「でも、「あしたの家」に来たばっかりの俺に、先生が本を読むことを勧めたのは何でだったのかなって」 久志の問いかけに施設長の福原先生が「虐待の連鎖ってわかる?」ドキッとする問いかけをし福原先生は自身の幼馴染の話を始め…

詳しくは本を読んで欲しいので書きませんが、福原先生の言葉で何十年も引っかかっていた事がす〜っと体から抜けていくような感覚になり、あ〜私は大丈夫なんだ!って。施設にこそ入っていませんが、私も虐待を受けた当事者です。1歳頃虐待を受け泣き叫ぶ私を見かねた母方の叔母夫婦が私を連れ出し5歳まで育ててくれました。養子縁組の話が出て父が拒否し連れ戻されたのですが、実父母は何かあれば手が出る人でした。親になった今でも親と同じように虐待してしまうのではないか?子供にイライラする度にいつか子供を殴るのではないか?と不安に思っていましたが、「明日の子供たち」を読んで「沢山本を読むんだよ」と私に本の素晴しさを教えてくれた叔母夫婦を思い出し私も本が好きだからきっと大丈夫!

施設にいるからって「かわいそう」ではないのです。でも大変で厳しいのは事実。この意味を読めばきっと理解できます。ドキドキハラハラはもちろん涙する場面もあり老若男女問わず沢山の人に読んで児童養護施設を知って欲しいなと思います。

お勧めの本です!是非読んでみて下さい!

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